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仙台短篇映画祭2011 9月17日(土)-19日(月・祝)
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仙台短篇映画祭が閉幕して24時間。
こんばんは。
仙台短篇映画祭が閉幕して24時間とちょっとがたちました。

今年も、多くのゲストの皆さま、そしてお客さまに来ていただけました。
まことにありがとうございました。
1つでも2つでも、「来てよかった」と思ってもらえるようなものを持ち
帰っていただけたでしょうか?
そうであれば、1スタッフとしてこんなに嬉しいことはありません。

今はまだ、全体での反省会的なことはしていないのですが、
個人的にはいろいろと「次はこうしてみよう!」というものが出てきて
います。
あとは、「もっといろんな映画見なきゃ!」ということも、強く思いました。
このようなところから、次につながっていくものが1つでもあればいいなー、
と思いました。

最後に、
今年の映画祭に関わっていただいた皆さまに感謝、大感謝です!
ほんとうにありがとうございました!!

tuyo


追伸
来年は、2次会で寝ないようにしたいです。

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今年の映画祭と地元との関係。
こんばんは、スタッフtuyoです。

昨日少しはじけちゃったので、今日は少しまじめに行きます。
以前映画祭のfacebookでも出ていましたが、今年の映画祭は仙台、宮城と関わりのある事がらが多いのです。
一地方の映画祭としては、こういうのも大事な要素だと個人的に思ったりしています。
それをご紹介しましょうか。

Aプログラム「仙台の新しい記憶を作ろう」と銘打って、オール仙台ロケ。
○冨永昌敬監督作品
 ・大町、国分町、壱弐参横丁等でロケ。
 ・冨永監督は、以前『パンドラの匣』で南三陸・登米等でロケの経験あり。
○入江悠監督作品
 ・八木山動物公園、文化横丁、広瀬川河畔等でロケ。
 ・主演の水澤紳吾さんは仙台出身。
○真利子哲也監督作品
 ・東北工大前の道路、卸町等でロケ。
 ・その他、隠し球あり。

Bプログラム
○大川五月監督『旅するボール』
 ・仙台でロケ。
 ・ベガルタの公式戦を行っている中でのロケもあり。
  (見る人が見るとどの試合か分かる)
○菅原千夢監督『Singing Moon』
 ・菅原監督は仙台出身。

Gプログラム
○篠崎誠監督『あれから』
 ・主人公の恋人が、宮城県内に住んでいると思われる。
  (それをほのめかす台詞あり!)

Iプログラム
○冨永昌敬監督『ニュースラウンジ25時』
 ・主人公を演じるムーディ勝山さんは、現在仙台のラジオ番組にレギュラー出演している。

Jプログラム
○入江悠監督『ネオ・ウルトラQ 第11話 アルゴス・デモクラシー』
 ・ここでも水澤紳吾さんが出演。

1F企画
○世界子供短編映画祭@masdaは、2008年より名取市で開催されている。

○文化庁メディア芸術祭優秀作品上映・大友克洋監督『火要鎮』
 ・大友監督は、登米市出身。

ここ数年では最多ではないでしょうか。
こういう地元ものを上映できる、というのはある意味とても幸せです。
JOJOっぽい作品~今年の上映作品から
こんばんは、映画祭スタッフtuyoです。
昨日、新人と書いたら、「オールドルーキーでは?」と指摘されました。

それはさておき、私、結構JOJOが好きなんですが、
「この作品、何かJOJOっぽいなー」というのがいくつかありました。今日はその作品たちをご紹介。
(あくまで私見ですので、実際に見て「これは違う」などと言わないでください)

Cプログラム 山岡大祐監督『いいね!』(21日上映)
ビルの隙間で暮らす男、って時点ですでに「ここ杜王町?」って感じです。
そして実際に彼はそのスタンド(?)で女を引きずり込むのみならず、さらに……。

Hプログラム ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督『チャイナ・チャイナ』(22日上映)
ロドリゲス監督の作品は、何か全体的な雰囲気が杜王町みたい、というかまさに「日常に潜む狂気」に
あふれている感じがしました。
その中から『チャイナ・チャイナ』。若い中国人の母親は、旦那(多分)からだらしのなさを罵倒される。
その時彼女が取り出したものは?それで何をする?そして結末は?

MOOSIC LAB 傑作選2 今井真監督『あなたの白子に戻り鰹』(22日上映)
JOJOで出てくるエンヤ婆の「矢」。これに射ぬかれてもスタンド能力が発現すると死なないが……。
これと同様なものが、この映画で出てくる。どんなものかは、作品を見てのお楽しみ。
それとは別に、ロックバンド「漁港」の歌、いいですよ(特に、主人公登場のシーンのものが)。
新人スタッフのたわごと。
こんばんは、映画祭スタッフtuyoです。新人です。
あと3日で今年の映画祭が始まってしまうのですが、あっという間の準備期間でした。
まあ、こんな感じでした。

2012.09   映画祭に当日ボランティアで参加
2012.11   いつの間にかスタッフに
2012.12~  テーマや、プログラムの企画を考える。思えばこの頃は結構まったりしてた
2013.04~  プログラムの骨子が固まり、上映の交渉。ギアが2ndくらいになった
2013.07   チラシの原稿集め→校正。一気にギアがtopに
2013.08上旬 チラシ完成。猛暑の中、置かせてもらえる場所を巡る
2013.08下旬 映画制作企画・ロケ開始。いろいろ手伝う
2013.09中旬 映画制作企画。ロケ終了

いろいろたいへんなこともあったのですが(今もたいへん)、
たいへんであり、かつ楽しかったのはやはり制作企画のロケでした。
仕事の合間をぬってちょこちょこと参加し、その日によって単に立ち会いだけの日もあれば少しお手伝いを
させてもらったりもしました。
このようにして映画はできていくんだなーと、あらためて勉強になりました。
制作企画については、17日の産経新聞に取り上げていただいて、仕事帰りにコンビニで買って読んだのですが、
自分も関わっていただけに、ジーンと来るものがありました。
ロケには参加していたのですが、当然完成した作品はまだ見ていないので、映画祭当日がとても楽しみです。

ちなみに、今回制作した映画は、映画祭では
21日(土)11:00@7Fシアター と 23日(月・祝)18:30@1Fオープンスクエア
の2回上映します。それぞれ、監督がゲストでいらっしゃってトークやあいさつもありますので、
ぜひお越しください。
仙台短篇映画祭2013作品公募「新しい才能に出会う」、締切までいよいよあと1週間!
皆様、ショートピース!仙台短篇映画祭2013の一般公募プログラム、
「新しい才能に出会う」の応募締切が、2013年4月30日(当日消印有効)まで、
いよいよあと1週間に迫りました!

2002年から毎年途切れることなく、このプログラムを10年以上続けられてきたのも、
皆様からのたくさんのご応募と応援を頂いてきたお陰です。ありがとうございます。

過去、選出された監督の皆様も、当時から現在まで活躍を続け、
長編映画やドラマ作品を手がけてられており、海外の映画祭へも進出されています。
そして、皆様が仙台短篇映画祭を応援してくださり、
仙台にも再び来て頂くことができ、私たちも本当に嬉しいです。

今年も新しい監督の皆様との出会いが生まれること、
観客の皆様と映画で繋がっていくことを実行委員一同、心待ちにしております。
ぜひ、奮ってご応募ください!

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<<ショートピース!仙台短篇映画祭2013 作品募集>>
新たな作品、新たな作家との出会いを求め、ショートピース!仙台短篇映画祭は
新しい才能を応援しています!

ショートピース! 仙台短篇映画祭は2002年から作品を公募しています。2002年、
2003年はコンペティション形式でしたが、2004年から形式を変え行っています。
その形式は作品を上映し、現在映画界の第一線で活躍されている方々をコメン
テーターとして招き、上映作品の監督、観客を交えトークセッションを行うという
ものです。当映画祭は単純にグランプリを決めるのではなく、映画を通して人々
の声が交わり、新たな視点を知ることが映画監督の次回作の刺激へつながって
いくことを期待しています。映画は人々に見られて初めて映画として成立します。
ぜひ、あなたの作品をスクリーンで上映してみませんか?
仙台短篇映画祭は新しい才能を待っています。

◆開催要項◆
■会期 2013年9月21日~23日(3日間開催)
■会場 せんだいメディアテーク
■主催 仙台短篇映画祭実行委員会
■共催 せんだいメディアテーク
■ゲストコメンテーターを招いてのトークセッションを開催予定。
2013年のゲストコメンテーターは入江悠監督(「SR サイタマノラッパー」シリーズ、
「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」
「ブルータスの心臓(フジテレビ系TV)」「ネオ・ウルトラQ(WOWOW)」など)です。

○過去のコメンテーター
2004年:塩田明彦監督、2005年:篠原哲雄監督、2006年:古厩 智之監督、
2007年:長尾直樹監督、2008年:根岸洋之プロデューサー、
2009年:井口奈 己監督、2010年:熊切和嘉監督、向井康介氏(脚本家)、
2011年冨永昌敬監督、2012年 沖田修一監督、守屋文雄氏(脚本家)

○過去の選出者( 「」内は主な監督作)
真利子哲也監督「NINIFUNI」、濱口竜介監督  「なみのおと」、
入江悠監督「SR サイタマノラッパー」シリーズ、岩田ユキ監督「指輪を はめたい」、
日向朝子監督「森崎書店の日々」、内藤瑛亮監督「先生を流産させる会」、
鈴木太一監督「くそガキの告白」 他

●応募作品について
1.応募者資格は一切問いません。
2.2012年以降に制作された「短篇映画」を募集します。
3.作品は20分以下のものとします。
4.オリジナル形式はフィルム(16mm、35mm ※8mm作品の場合テレシネが必要になります)、
ビデオ(VHS、DV)、DVD、Blu-ray Discとします。
5.作品は、ひとり一作品のみとします。
6.過去に他の映画祭で受賞された作品の応募も受け付けております。
(ただし、その場合は出品した映画祭の名称、年度などを必ず明記してください。
また、本映画祭での上映に関する権利等の調整・手続きを済ませてください。)
7.映画内での言語が日本語以外の場合は、日本語もしくは英語の台本を添付して送付してください。

●応募方法
募集要項をよくお読みの上、以下の2点を2013年4月30日(当日消印有効)までに
下記の応募先住所まで郵送してください。(作品の直接持ち込みは受け付けておりません。)

1.応募用紙
所定の応募用紙(コピー可)に必要事項を明記し、必ずご署名をお願いします。
書類の不備がある場合は選考の対象にならないことがあります。
この募集要項と応募用紙は下記よりWordまたはPDFファイルでダウンロードできます。
(Windowsの場合、右クリック→対象をファイルに保存。
Macの場合、controlキー+クリック→リンクをディスクにダウンロード)

2.応募作品(作品サンプルビデオ)
作品サンプルビデオは基本的にVHSテープまたはDVD-videoでお送りください。
DVD-videoは家庭用DVDプレーヤーで再生できるもの。データDVDは受け付けません。
またサンプルはお返ししませんので、オリジナル形式での送付はご遠慮ください。

●応募用紙
下記、映画祭公式HPよりダウンロードをお願い致します。
http://www.shortpiece.com/competition.html

●応募先
〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町2-1
せんだいメディアテーク企画活動支援室気付
仙台短篇映画祭実行委員会 公募係

●作品選考
仙台短篇映画祭実行委員会による選考を5月から7月にかけて行い、上映作品決定後、
仙台短篇映画祭ホームページ(http://www.shortpiece.com)上で発表します。

●作品の上映について
上映が決定した作品については、上映日に監督を本映画祭にご招待し、他のゲストも
まじえてのトークセッションを行います。なお、上映に際しては、上映料・宿泊交通費を
実行委員会よりお支払いいたします。 また、上映作品は「(仮)仙台短篇映画祭2013
アーカイブ」DVDに収録し、せんだいメディアテーク映像音響ライブラリーに寄贈する
予定です(DVD化に際しての諸権利については別途協議します)。

●上映環境
せんだいメディアテーク7階スタジオシアターは180席。
上映機材は、35mm:ジーベックスXP-3000、16mm:EIKI EX-6100、DLPプロジェクタ:
パナソニックTH-DW10000=対応メディア DV(SP, DVCAM), HDV,HDCAM,Blu-ray
Disk,DVD-Videoです。詳しくはせんだいメディアテークのホームページをご覧ください。
http://www.smt.city.sendai.jp

●注意
作品の取り扱いには十分に注意しておりますが、不測の事故による損傷・紛失等
については責任を負いかねます。また、運搬中の破損・紛失等のトラブルに関して、
実行委員会は一切責任を持ちませんので、ご了承ください。第三者からの権利侵
害・損害賠償などの主張がなされたときは、応募者が自らの責任と負担で対処して
ください。主催者は一切の責任を負いません。

作品中で既成の音楽を使用する場合は、下記に問い合わせ、著作権等に関する
所定の手続きを済ませてください。
・日本音楽著作権協会
 Tel.03-3481-2172(8mm・ビデオ作品)、Tel.03-3481-2173(16mm・35mm・作品)
作品中で音楽以外の著作を使用する場合は、下記に問い合わせ、著作権等に
関する所定の手続きを済ませてください。
・日本脚本家連盟内  日本著作権者団体協議会 Tel.03-3401-2317

上映作品については、仙台短篇映画祭実行委員会によって行われる事業における
上映および広報・宣伝等に、その全部あるいは一部を無償で使用・複製できるもの
とします。この募集要項に明記されていない事項について、主催者の判断により
決定されることがあります。その決定に了解できない場合、主催者からの通知後
7日以内に、応募者は応募を撤回することができます。

応募用紙にご記入いただく際、連絡先メールアドレスはお間違いのないよう、
楷書ではっきりとお書きください。

●問い合わせ
お問い合わせは下記までE-mailでお願いします。

仙台短篇映画祭実行委員会 公募係
E-mail: info@shortpiece.com
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column育児と映画「おだやか」にひそむ不穏(内田伸輝監督「おだやかな日常」)
桜井薬局セントラルホールにて、「震災関連映画特集」が展開されています。「おだやかな日常」は、土曜日から3時一回となります。お見逃しなく。15日までの上映です。
予告編やポスターを見て気おくれした方も…ぜひ。私は観てよかったと感じています。夕暮れがおだやかな春にふさわしい作品です。

~~~
痛々しいほどの衝撃的な予告編が、ずっと胸に刺さっていた。地元での公開を知り、意を決して劇場に向かう。意外にも、すっと心にしみ込む作品だった。
見えない恐怖といかに向き合い、大切なものを守るか。たしかに、登場人物たちは幾度となく声を荒げ、ぶつかり合う。けれども、不安や苛立ちを表出する(できる)彼らを、少しうらやましくも感じた。(震災から二年となる今、このような場は、良くも悪くも失われている。直後にはなかなかかたちにできなかった想いが、身体の中や身の回りで、今も行き場を求めてさまよっている…と時折感じる。そのまま時の流れに任せておけばよいのか、向き合い、引っ張り出し、さらすべきなのか…。)悩み苦しむのは、幼い娘を守ろうとするヒロインだけではない。彼女を追いつめる母親たちのリーダー格(演じるは、貫禄の渡辺真起子さん)も、不安や孤独を抱えている。声高にならずにきちんとそこまで描かれていて、ほっとした。
彼女たちをはじめ、本作には様々な立場や感情を持つ人々が登場する。特定のひとりにというより、この時は彼に、あの時は彼女にと、それぞれに様々な瞬間の自分が重なった。感情はひとつではなく、時に相反するものが共存する。大丈夫と思ったり、不安になったり。常に揺れ動き、揺らぎながらバランスを取っている。ひとつの感情に支配されたり、溺れたりするまい、と改めて感じた。
ラストに流れるバッハの無伴奏チェロ組曲が美しい。タイトルの「おだやかな日常」も素晴らしいと思う。震災直後、おだやかな日常はやってくるのだろうかと途方にくれた。今は、おだやかな日常を過ごすことに、少しばかりの違和感や後ろめたさがある。おだやかだからこそ、そこに潜むものを意識する。だからこそ、おだやかと感じることを忘れかけていないか、鈍麻していないか…とはっとした。
「女性映画」とされているが、ヒロイン二人の夫を演じる男性キャストも印象を残す。「さよならドビュッシー」に続いての山本剛史さん。数年来気になる俳優さんだ。キワモノっぽい役が多い中、今回は出色だった。今後にも期待。一方、小柳友さんは…「トウキョウソナタ」同様、唐突な行動に出る役。不思議とハマります。

~~~
「おだやかな日常」2012年、 日本・アメリカ合作
監督:内田伸輝
プロデューサー:杉野希妃、エリック・ニアリ
出演:杉野希妃、篠原友希子、山本剛史、渡辺杏実、小柳友
長すぎない! 幸せな2時間40分(沖田修一監督「横道世之介」)
前回が思い出せないくらい久しぶり!に試写会に当たりました。作品は、昨年の映画祭にゲストで登場、特集プロ、「新しい才能」コメンテーター、関連企画…と大活躍してくださった、「南極料理人」「キツツキと雨」の沖田修一監督の新作「横道世之介」。映画祭に、出来たてのチラシを持ってきてくださったあの作品です。観た感想は…まさに大当たり! 沖田監督、最高です! 皆様、どうぞお楽しみに。ぜひご覧になってください。
cma

以下、レビューです。


~~~
映画は、90分ちょいが丁度いい。常々そう思っている。それなのに、 本作は2時間をゆうに越える2時間40分。観る前は少々不安があった。けれども、それは 全くの取り越し苦労だった。つくづく しみじみ、幸せな2時間40分。観終えた今も、あれやこれやと思い出し笑いがこみ上げる。終始、(いわゆる)たいしたことは起こらない。けれども、かけがえのない出来事が詰まっている。頭の隅に追いやっていた様々な記憶や想いを、心地よく刺激してもらった。
映画になると知り、事前に原作を読んだ。そのときは、この小説をどのように映画にするんだろう?と半信半疑だった。吉田修一さんの文章は素晴らしい。ぐいぐいと読ませる。だからこそ、そのまま映画でなぞってはいけない。そこが映画の面白さであり、映画化の難しさなのだと思う。
本作は、原作に寄りかからず、あくまで映画の空気を大切にしている。原作は、世之介という名前の由来である井原西鶴の「好色一代男」を意識したかのような軽妙な語り口が印象的で、名前にまつわるエピソードも何度か登場する。だが、映画はそこらへんをばっさりカット。さらには、映画オリジナルのエピソードがさりげなく織り込まれている。それでいて全く不自然さがなく、世之介(と彼を取りまく人々)らしさに満ちている。文章にするとヤボなのでいちいちあげないが、思い返すにつけ、顔がほころぶ。 共通していたのは、通常ならば終盤に置かれるであろう、世之介にまつわる「仕掛け」が中盤で明かされる点だ。原作を読んで知っていても、気持ちがざわめく。とはいえ、仕掛けに流されない物語のふくらみは、映画でも健在。あざとくなりかねない冒険が、出しゃばらずに効果をあげている。
そして何より、キャストの素晴らしさ! 文字で読んだときは「本当にこんな人がいるかな?」とちょっぴり思った。それが、本作のおかげで、世之介が、祥子が、生き生きと動きだし、きらきらと魅力を放ち始めた。特に、吉高由里子! 世間ずれしたお嬢様を、あれほどチャーミングに演じられるのは彼女だけだろう。「婚前特急」を観返したくなった。
また、「あえて語らない」点も印象に残った。例えば、「可愛いエプロンを着た世之介のおばあちゃん」は登場しない。どんなエプロンだろう、どんなひとだったんだろう、と考える。世之介を思い返す彼らのモノローグも、一切語られない。なかでも、世之介が憧れたバブルのあだ花のような千春(伊藤歩)の沈黙は、クールで美しい。映画ならではの余韻だと思う。
蛇足ながら…途中、ふと思い出したこと。
映画を通じて知り合った、当時学生だった若い友人。そういえば彼も踊っていたなあ…サンバだったかな…でも、なんか違うような…太陽かぶって踊ったりはしてなかったよな…「あ。」
彼がやっていたのは、サンバではなくサルサでした…! とはいえ、サルサを踊れる人に出会ったのは彼が初めてで、「へえー、踊るんだー、踊っちゃうんだー」と思ったものです。
そうだよ、I田くん、キミのことだよ。元気にしてますか? 映画観てますか? 「横道世之介」、ぜひ観てね。

~~~
「横道世之介」2012年、日本
監督 脚本 沖田修一
脚本 前田司郎
原作 吉田修一
出演
高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛
キャラクター一人ひとりの魅力が際立つ映画版(トム・フーパー監督「レ・ミゼラブル」)
昨年末の「リビング仙台」特集記事で紹介させていただきました「ニューヨークの恋人」の貴公子、ヒュー・ジャックマン主演の話題作。寒い季節はこんなゴージャスな作品で胸を熱くしたいですね。舞台版を体験した方にも、未見の方にも、お勧めです!
…よろしければ、「ニューヨークの恋人」も、是非(^^)/

~~~
期待を裏切らない良作です。
すべての台詞をメロディーにのせた完全ミュージカル、回り舞台を駆使したスピード感ある物語展開、ダブルキャストによるアンサンブルの妙…。そんな舞台版の魅力を生かしつつ、映画ならではの味わいが存分に発揮されていました。
荒海や広大な山々、緻密な街並みなどダイナミックなロケーションは言うまでもありませんが、俳優の顔や動きをつぶさに味わえたのが大きな収穫です。「レ・ミゼ」の個性豊なキャラクターたちが、オールキャストの効果も手伝い、皆キラキラと魅力を放っていました。中でも、アン・ハサウェイが演じたファンティーヌを見直すことができたのが良かったです。舞台を観た頃は(私自身が未熟ということもあり)「あまりにも悲劇のヒロインすぎる」と思っていましたが…。服装、髪、歯…とじわじわとささやかなプライドのよすがを奪われ、自身の不幸を受け入れながらも娘の幸せを願う姿に、毅然とした強さと美しさを感じました。そして、いかに彼女とジャン・バルジャンは重なり、共鳴しあうキャラクターであるか、ということも実感。舞台版ではファンティーヌとエポニーヌが彼の昇天に付き添いますが、今回のラストは然もありなん、と納得しました。
そして、テナルディエ夫婦! 彼らがいてこそ物語は勢いよく転がり、面白みが増すのです。サーシャ・バロン・コーエン、ヘレナ・ボナム・カーター、ともに適役すぎる適役!でした。憎たらしいのに憎みきれない、どこまでもしたたかで、愛嬌さえある彼らの魅力が、スクリーンをところ狭しと撒き散らされます。「哀れな人々」というタイトルどおり、重たく救いのないエピソードが連なる中、彼らの「笑い」は希少にして貴重だと改めて感じました。
一方、マリウスは…本当に困ったおぼっちゃまです。エディ・レッドメイン、「マリリン、7日間の恋」に続きイメージどおり。(これは彼への賛辞です。)エポニーヌの想いに気付かず、後の義父に命を救われておきながら、革命に挫折して感傷に浸っては恋人に癒され…。コゼットの将来が少々心配になりました。とはいえ、苦労してきた彼女のこと、夫が頼りなくても、(多分)しっかりやっていけることでしょう。マリウスのおうちは名家のようですし、路頭には迷わないかな、ということにしておきます。(できれば、経験をいかして慈善事業を発展させ、病院や孤児院、学校などを設立して活躍してほしいものですが…。)
とめどない空想はさておき。観てから数日はもちろん、こうして思い返すたびに「レ・ミゼ」の珠玉のメロディーが身体の中で響き始め、鼻唄となってあふれてきます。舞台版も、改めて観返したくなりました。これもまた、映画の力だと思います。

(蛇足:
ちなみに…
「ダブルキャストの本来の意味から」は反れますが、舞台版では、全ての俳優が複数の役を演じていたそうです。メインキャストさえも、出番以外では死体や群衆の一人を受け持っていたとか。舞台ならではの「技」だなと感じました。)

cma
~~~
「レ・ミゼラブル」:Les Miserables、2012年、イギリス
監督:トム・フーパー
製作:ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、デブラ・ヘイワード、キャメロン・マッキントッシュ
製作総指揮:ライザ・チェイシン、アンジェラ・モリソン、ニコラス・アロット、リチャード・パパス
作:アラン・ブーブリル、クロード=ミシェル・シェーンベルク
原作:ビクトル・ユーゴー
脚本:ウィリアム・ニコルソン、アラン・ブーブリル、クロード=ミシェル・シェーンベルク、ハーバート・クレッツマー
撮影:ダニー・コーエン
美術:イブ・スチュワート
編集:メラニー・アン・オリバー、クリス・ディケンズ
作詞:ハーバート・クレッツマー
作曲:クロード=ミシェル・シェーンベルク
音楽監修:ベッキー・ベンサム
音楽プロデューサー:アラン・ブーブリル、クロード=ミシェル・シェーンベルク、アン・ダドリー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、アーロン・トベイト アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム・カーター、サシャ・バロン・コーエン
column育児と映画:さまざ まな「わくわく」がつま った快作(セバスチャン・グロブラー 監督「コッホ先生と僕らの革命」)
2013年は、この作品でスタートしました。いつぞやの年のスタートは、同じくドイツ映画「飛ぶ教室」。こちらも、ケストナーの原作に負けない良作でした。
年末は、007のベン・ウィショーにニヤリとしつつ…予告の「クラウドアトラス」がかなり気になりました。今年はドイツ・パワーが炸裂?


~~~
よそ者が街にやって来る。彼は新しい風を吹き込み、少年たちは新たな世界へ一歩踏み出していく。…そんな定番の物語を、期待にたがわず爽快に描ききる。年始めにふさわしく、晴れやかな気持ちになった。
本作には、さまざまな「わくわく」が詰まっている。新しい出会い、偏見を打ち砕く価値観、スポーツのおもしろさ、恋の予感、かけがえのない仲間、障害へのチャレンジ。熱血過ぎない好青年、コッホ先生の魅力もさることながら、生徒たちのキャラクター付けもひねりが効いておもしろい。お高くとまったブルジョアの息子が転落し、プロレタリアの少年がサッカーで頭角を現す…のは常套だが、ブルジョアに代わってクラスを引っ張っていくのは、パッと見は冴えない太っちょの少年。彼は中流の工場経営者の息子だ。家業のミシンやボールの脚さばきは苦手でも、アイディアのひらめきやゴールキーパーとしての手腕を発揮し、自信を深めていく。さらには、サッカーボールが商売になると見抜いて試作を指示し、最後は父親さえ彼の言われるままに値段を釣り上げる。親との対立、自立がテーマのひとつになっている中、彼はあっさり親を越え、共に商売に邁進していく。資本主義が台頭していく近現代の流れを示唆しているようで、興味深く感じた。
クライマックスのサッカーゲームでは彼らと共に手に汗握り、エンドロールでは友情を歌う「蛍の光」で余韻を味わう。最後まで押し付けがましさゼロのさじ加減が好ましい。
…それにしても。「グッバイ、レーニン!」の心優しい青年ダニエル・ブリュールが、髭を蓄えた先生をゆったりと演じるようになるとは! ちょっとしみじみした。

cma
~~~
「コッホ先生と僕らの革命」:Der ganz groe Traum、2011年、ドイツ、114分
監督:セバスチャン・グロブラー
製作:アナトール・ニチュケ、ラウル・ライネルト
原案:セバスチャン・グロブラー、ラウル・ライネルト
脚本:フィリップ・ロス、ヨハンナ・ストゥットゥマン
撮影:マルティン・ランガー
編集:ディリク・グラウ
美術:トーマス・フロイデンタール
衣装:モニカ・ヤコブス
音楽:インゴ・ルードビヒ・フレンツェル
出演:ダニエル・ブリュール、ブルクハルト・クラウスナー、ユストゥス・フォン・ドーナニー、トマス・ティーマ
今年は松江哲明監督か ら目が離せません!
昨秋、せんだいメディアテークでの特集上映で来仙された松江監督から、たくさんのお知らせが映画祭に届きました。DVD発売、新作上映が続々と予定されています。
●DVDは、上映会に足を運べた方も、運べなかった方も、要注目です。監督いわく、観るだけにとどまらない、豪華特典がついています!
●新作3Dは、日本映画史に残る作品との前評判が…! 東北エリアでの上映情報に注目していきましょう。映画祭からも、わかり次第随時お知らせします。

以下、監督のコメントつき告知です。

・『トーキョードリフター』の2枚組DVDを完全自主制作で作っています(自宅から段ボールに詰め込まれた大量のDVDを発送しています)。
オーディオコメンタリー、60分を超えるメイキング、110Pのブックレットも付きます。
DVDマニアの僕自身が納得出来る「商品」を目指しました。
DVDは『トーキョードリフター』という作品だけでなく、2011年の震災後の状況、新聞記事、雑誌、Twitter等の批評、公開中のリアクションも全て詰め込んでみました。
『トーキョードリフター』が生まれたことによる「状況」をディスクとケースにまとめてあります。
ぜひ、ぜひ、購入して欲しいです(見るだけでなく、直接触り、読み、保存しておくということで)。
※1/23に全国で発売しますが、Amazonが最も安いです(1000円以上も割引されています)。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00AAOHH8Y
※一方、1/16に発売される特別先行店もあります。Amazonでの割引以上の価値ある特典を付けました。
お店毎に違うポストカード4枚セットと、オーディオコメンタリーの収録風景を記録したDVDと前野健太撮影による特別映像です。これは見て、驚いて下さい。
詳細と、お店へのリンクはこちら

http://tokyo-drifter.com/news/

ネットで予約を受け付けているお店はこちら

中野レコミンツ
http://www.recomints.com/products/detail.php?product_id=5626
吉祥寺basarabooks
http://basarabook.blog.shinobi.jp/Entry/868/
京都ガケ書房
http://gake.shop-pro.jp/?pid=52188021
名古屋シネマスコーレ
http://ameblo.jp/rengousekigun/entry-11414346744.html
弘前harappa
http://harappa-h.org/modules/tinyd0/index.php?id=132

・『フラッシュバックメモリーズ 3D』が1/19より新宿バルト9他、全国Tジョイ系列で上映されます。
一年半に渡って制作を進めて来ましたが、やっと完成しました。
東京国際映画祭コンペ部門で観客賞も頂きましたが、上映からがスタートです。
僕は1/19からのシネコンでの上映はまだ第1ラウンドにすぎないと思っています。
『フラッシュバックメモリーズ』は12ラウンドを戦い抜ける作品になっていると思います。

合わせてオーディトリウム渋谷では特集上映も。
http://flashbackmemories.jp/

・初のフィクション作品『SAWADA』
昨年亡くなった、大切な映画仲間しまだゆきやすさんについての映画です。
こればかりはドキュメンタリーでは描けないことなので、役者さんの力を借りて撮りました。
山本政志監督プロデュースによる「シネマインパクト」として制作し、山下敦弘監督作品と同時上映されます。
劇場は1/26からオーディトリウム渋谷です。
http://cinemaimpact.net/vol2/c1.html

・初めてプロデューサーを担当する『音楽』のアニメーション映画化が進行中
原作は大橋裕之さんの『音楽』。
監督は『フラッシュバックメモリーズ』でもアニメーション部分を担当した岩井澤健治さん。
全編手描きで、フルカラー、60分を超える長編アニメーションを目指しています。
完成時期は今年中(予定)、上映劇場は未定です。
現在、画コンテは完成し、いよいよ作画に進もうという段階です。
今年は本作に賭けています。
http://www.cinra.net/news/2012/09/05/204533.php

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なんだか読むだけで奮い立つ、パワーみなぎるお知らせだと感じました。私たちも、今年の映画祭に向け始動!です。
今年も、仙台短篇映画祭をよろしくお願いします。
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