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仙台短篇映画祭2011 9月17日(土)-19日(月・祝)
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淀川さんのこと。
おこがましい比喩ですが、淀川さんがチャップリンと会ったことを終生の自慢としたように、生前の淀川長治さんにお会いしたことは、私にとって人生の宝です。
学生の頃、たまたま目にした講演のちらし。淀川さんが紹介する映画を片っ端から観ることを日課としていた私は、これは逃せない!と、他の都合をほっぽり出して会場に向かいました。
溢れんばかりの人と、尽きることのないお話。…それは、何にも代え難く、熱気とあたたかさに満ちた経験でした。
日曜洋画劇場の案内役としてたくさんの人に親しまれ、締めの決めぜりふ「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」から「サヨナラおじさん」とも呼ばれた映画評論家、淀川長治さん。淀川さんは、言うまでもなく、唯一無二の存在です。
映画好きのお母様のお腹にいた頃から映画を観ていたという根っからの映画少年。映画を伴侶として生涯独身、忙しくても映画を観てから床につき、晩年は「掃除と移動の時間が節約できて」、「いつ死んでもいいように棺桶が入るエレベーターがある」という条件にかなったホテルに暮らし、最後まで精力的に活動されました。ちなみに、先述の講演は85歳。サインをいただいた本に挟んであった新聞切り抜きによると、その翌年、映画百年記念スペシャル番組のラジオ収録を、周囲の心配をよそに8時間連続で敢行したようです。「もうすぐ死ぬ、明日にも死ぬ」という晩年の口癖は、「今を全力で生きる」という淀川さんの姿勢を端的に示す言葉でもありました。
そんな淀川さんの、映画にまつわる魅力をいくつか挙げれば……
まず、「楽しむ」ことへの貪欲さ、です。どんな映画にも見るべきものはある、全体がいまいちだとしても、ファッションや小道具に目を配れば発見がある…と、ストーリーを追い俳優を愛でるだけではない、映画の味わい方を教えてくださいました。ときどき、「お金も時間もむだにした」とぼやきたくなる映画に出くわしますが、淀川さんだったらこの映画をどのように観たのだろう、と考えます。淀川さんは、雑誌ananに'89~98年と長期連載されていたこともあり、記事をまとめた本「淀川長治のシネマトーク(マガジンハウス)」今読み返すと、「こんな作品まで!」と驚くようなレビューがたくさん残されています。既製にとらわれず、未知のものにも常に目を向けていた姿勢が伝わってきます。
そして、湧き出る泉のような名解説です。 今回のプログラムを組むにあたり、解説映像を見返したところ、淀川さん、いきなり映画の情景やストーリーの流れをつぶさに語り始めるではありませんか!最近では「ネタバレ」と呼ばれ、タブー視されかねません。しかし、そんな解説をふまえて本編を観ても、「ばらされた」という失望は全くなく、むしろ、見逃していたかもしれない味わいを拾いあげてもらったという印象が強かったです。特に、リアルタイムで触れることの出来なかった過去の名作で、淀川さんの解説は光ります。ある友人は、淀川さんの解説を「ノートの罫線や自転車の補助輪」と表現していましたが、ぴったりな例えだと思います。
ご本人にお目にかかった経験が決定打となり、淀川さんに導かれるまま、映画の世界に浸かるようになって…年。そのうち、映画を観るだけはなく、まわりの人にもその面白さを伝えたい、一緒に楽しみたいという思いがつのるようになりました。その結果、映画祭スタッフをやったり、このような文章を書いたりしている訳で…淀川さんとの出会いは、私の人生を本当に豊かにしてくださいました。まだまだ感謝のしるしと言えるようなことは出来ていませんが、わずかずつでも恩返していきたいと考え、映画祭にかかわっています。
皆さんも是非、たくさんの著作や映像資料を通して淀川さんに出会い、あなたの映画人生を豊かにしてください。
まずは、淀川さんがこよなく愛したチャップリンの傑作、「キッド」をぜひ。
※プログラムK「映画に愛されたふたり」は、9月22日(火・祝日)11時30分~です(無料上映、要整理券)。
さらに!「キッド」上映に加え、来た人だけがトクをする、おまけ映像を準備中です。お見逃しなく。

cma
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