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仙台短篇映画祭2011 9月17日(土)-19日(月・祝)
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片想いから、醒めるとき( 塚本監督の「鉄男」が効いてます!)(吉 田大八監督「桐島、部 活やめるってよ」)
…山下監督つづきです。
2005年の映画祭。交流会でゲストの方々を紹介する役目をふられ、共通の質問として「最近観た映画」を用意しました。「好きな映画」より答えやすいだろうと考えたのですが、「最近観ていない」なんて答えもあり…。そんな中、山下監督の「ランド・オブ・ザ・デッド」という答えは、とても印象的でした。(自分も観た直後だったので、え!とうれしくなったのです。仙台ではやっておらず、郡山でやっとこ観ました。)
「ランド~」は、神木隆之介演じる映画部の彼が傾倒するジョージ・A・ロメロ監督による、68年「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」、78年「ゾンビ」、85年「死霊のえじき」に続く20年ぶりのゾンビ映画です。ゾンビたちから逃れ、やっと生きながらえているはずの人間が、富裕層と貧困層に二分。富裕層は相変わらずのうのうと暮らしている…という「近くて遠い世界」を描き、搾取する側をデニス・ホッパーが怪演しています。有名すぎる過去の作品に劣らず、パワフル。見逃すのはもったいなすぎる!作品です。
また、本作のキーとなる「鉄男」の塚本晋也監督も、仙台短篇映画祭にお越しいただいたことがあります。「鉄男」の鉄は、実は発泡スチロール!なんてお話を伺ったことを思い出しました。
きっかけは様々。映画のはしご、是非お楽しみください。
以下、「桐島、部活やめるってよ」レビューです。

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観終わってもなお、(予想通り)謎は残る。ホラーではないので、桐島は出てこない。桐島とは、一体どんな人物?ということをさておいても。
バドミントン部のエースは、なぜチャラけた帰宅部と付き合っているのか。野球部に籍を置きつつ帰宅部とつるむ彼は、なぜ性格悪のケバい彼女と付き合っているのか。…いや、実は彼らは付き合っていないのかもしれない。交際はチャラ男とケバ子の思い込みに過ぎず、エースは「面倒だから」、(野球部)は踏み出せないから、だらだらと相手に合わせているだけ、なのかもしれない。
そこまで考え、はたと気づいた。彼らは皆、片想い=思い込みの壮大なループの中にいる。自分の望みはおおむね満たされている、特段の不満はない、…はず。そんな一見整った世界が、桐島の不在で歪み、崩れ始めた。
「自分は所詮、この程度」「私は、アイツらとは違う」「自分には、やるべきことがある」…。「~にきまっている」「~しなければならない」は、日々の迷いを減らしてくれるが、思考停止に繋がり、自分の行動範囲を狭めてしまう。(毎日着るものに悩まなくていい制服が、気楽ながら煩わしいのと似ている。)当たり前と思っていたあれこれは、本当にその通りなのか? 見たいものだけを見ていないか? 幻想が崩れ、傷を負うのを恐れず、今に疑問を持ち、見ないふりをやめることが、「一歩踏み出す」ことにつながる。…とはいえ、繰り返される日常の中でそこに辿り着くのは、なかなか容易ではない。
塚本晋也監督の「鉄男」の使い方が効いている。映画部の彼は、モール内のシネコンで思いがけない出会いをする。二人が観ていたのが「鉄男」、というだけでもニヤリだが、敢えてあのシーンを切り取るとは! そんな彼が傾倒するゾンビ映画が、白人社会のマイノリティー差別(迫害)を暗喩していたことは、いまや自明のこと。ゾンビや近未来SFの自主映画制作が、作り手の想いを映し出す点は、「虹の女神」を思い起こさせる。にしても、本作中映画のハイライトは凄みがある。ここに辿り着いてよかった、という気にさせてくれた。一方、前半で延々と繰り返される「金曜日」のリフレーミングは、少々くどい。群像劇を盛り上げるため必要とわかっていても、焦らすのを通り越し、物語が必要以上にもたつく気がした。切り取り方を工夫すれば、一、二回は減らせたのではないか、と今でも思う。
殺伐とした物語に、前に踏み出し続ける野球部部長の佇まいと、踏み出しかけた映画部の遠慮がちな笑顔が、一筋の風を吹き込んでくれる。カッコ悪いことは、かっこいい。文字にすると、とたんに野暮になるけれど。

cma
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「桐島、部活やめるってよ」:2012年、日本
監督、脚本(共同):吉田大八
原作:朝井リョウ
主題歌:高橋優
出演:神木隆之介、橋本愛、大後寿々花、前野朋哉、岩井秀人
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