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仙台短篇映画祭2011 9月17日(土)-19日(月・祝)
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上海映画日記
陳腐で何が悪い   
『ランド・オブ・プレンィ』『アメリカ 家族のいる風景』

ヴェンダースが相次いで世に送り出した『ランド・オブ・プレンティ』と『アメリカ 家族のいる風景』。

『ランド・オブ・プレンティ』は9.11が象徴する世界を題材にし、『アメリカ 家族のいる風景』では以前は一世を風靡した俳優が自分の息子に会いに行くという内容。
 
この二つの映画に共通することは「陳腐」です。「現在」と「アメリカ」といえばこのネタ!というほど分かりやすい題材を扱っています。イスラエル、アラブ、iPod、西部劇、家族、ヴェトナム戦争のトラウマ。見ているほうが恥ずかしくなるほどです。

『都会のアリス』、『パリ・テキサス』などの80年代の彼の映画には物語ることへの恥ずかしさやナイーブさがあちこちに充満し、それが彼の「魔法」にもなりえていました。スクリーンに画面に映さない/映せないものによって物語ろうとしていたように思います。

でも、『ランド・オブ・プレンティ』と『アメリカ 家族のいる風景』では徹底的に映し説明し続けています。『ランド・オブ・プレンティ』の冒頭では戦争で使うサーモグラフカメラの映像を挿入しているくらいです。


どうして彼はそこまで徹底的に映そうとするのでしょうか。説明しようとするのでしょうか。

それは「現在」を撮ると決意したからなのだと思います。批評家もしていた彼が映画史からの引用や、以前の自分の「魔法」を使い映画を撮ることなど容易いことです。しかし彼はそこへは逃げません。ひたすらデジタル化する映画の現在、混乱し続ける世界の現在をひたすら映画にどんどん投げ込みます。

そして投げ込んだ上で、最後には『ランド・オブ・プレンティ』ではグラウンドゼロの地に行かせて、空のショットで終わり、『アメリカ 家族のいる風景』ではDIVINE WISDOM と書いてある標識を見せて終わり。

本当に陳腐、とんちんかんなんです。おいおい、おっちゃん何してますのと突っ込みたくなります。(笑)
でも彼は答えなんて自分に出せないことも、もうそこからしか世界と向き合うことができないことを知っています。だって、世界は自分が知らないことばかりで、彼は9.11を止めることもできなかったし、アラブとイスラエルの状況をどうすることもできないし、家族なんてどんどん崩壊していくし、映画の技術もどんどん変わっていくし。

昔は何か自分にできるんじゃないかって淡い期待や夢があったんだと思います。でも現在は自分の力のなさを骨の髄まで知った上で、彼は陳腐さを引き受けて映画を作っているように私には見えました。
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2006/02/04(土) 17:56:34| 未分類| トラックバック(-) コメント(-)
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