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仙台短篇映画祭2011 9月17日(土)-19日(月・祝)
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今年は松江哲明監督か ら目が離せません!
昨秋、せんだいメディアテークでの特集上映で来仙された松江監督から、たくさんのお知らせが映画祭に届きました。DVD発売、新作上映が続々と予定されています。
●DVDは、上映会に足を運べた方も、運べなかった方も、要注目です。監督いわく、観るだけにとどまらない、豪華特典がついています!
●新作3Dは、日本映画史に残る作品との前評判が…! 東北エリアでの上映情報に注目していきましょう。映画祭からも、わかり次第随時お知らせします。

以下、監督のコメントつき告知です。

・『トーキョードリフター』の2枚組DVDを完全自主制作で作っています(自宅から段ボールに詰め込まれた大量のDVDを発送しています)。
オーディオコメンタリー、60分を超えるメイキング、110Pのブックレットも付きます。
DVDマニアの僕自身が納得出来る「商品」を目指しました。
DVDは『トーキョードリフター』という作品だけでなく、2011年の震災後の状況、新聞記事、雑誌、Twitter等の批評、公開中のリアクションも全て詰め込んでみました。
『トーキョードリフター』が生まれたことによる「状況」をディスクとケースにまとめてあります。
ぜひ、ぜひ、購入して欲しいです(見るだけでなく、直接触り、読み、保存しておくということで)。
※1/23に全国で発売しますが、Amazonが最も安いです(1000円以上も割引されています)。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00AAOHH8Y
※一方、1/16に発売される特別先行店もあります。Amazonでの割引以上の価値ある特典を付けました。
お店毎に違うポストカード4枚セットと、オーディオコメンタリーの収録風景を記録したDVDと前野健太撮影による特別映像です。これは見て、驚いて下さい。
詳細と、お店へのリンクはこちら

http://tokyo-drifter.com/news/

ネットで予約を受け付けているお店はこちら

中野レコミンツ
http://www.recomints.com/products/detail.php?product_id=5626
吉祥寺basarabooks
http://basarabook.blog.shinobi.jp/Entry/868/
京都ガケ書房
http://gake.shop-pro.jp/?pid=52188021
名古屋シネマスコーレ
http://ameblo.jp/rengousekigun/entry-11414346744.html
弘前harappa
http://harappa-h.org/modules/tinyd0/index.php?id=132

・『フラッシュバックメモリーズ 3D』が1/19より新宿バルト9他、全国Tジョイ系列で上映されます。
一年半に渡って制作を進めて来ましたが、やっと完成しました。
東京国際映画祭コンペ部門で観客賞も頂きましたが、上映からがスタートです。
僕は1/19からのシネコンでの上映はまだ第1ラウンドにすぎないと思っています。
『フラッシュバックメモリーズ』は12ラウンドを戦い抜ける作品になっていると思います。

合わせてオーディトリウム渋谷では特集上映も。
http://flashbackmemories.jp/

・初のフィクション作品『SAWADA』
昨年亡くなった、大切な映画仲間しまだゆきやすさんについての映画です。
こればかりはドキュメンタリーでは描けないことなので、役者さんの力を借りて撮りました。
山本政志監督プロデュースによる「シネマインパクト」として制作し、山下敦弘監督作品と同時上映されます。
劇場は1/26からオーディトリウム渋谷です。
http://cinemaimpact.net/vol2/c1.html

・初めてプロデューサーを担当する『音楽』のアニメーション映画化が進行中
原作は大橋裕之さんの『音楽』。
監督は『フラッシュバックメモリーズ』でもアニメーション部分を担当した岩井澤健治さん。
全編手描きで、フルカラー、60分を超える長編アニメーションを目指しています。
完成時期は今年中(予定)、上映劇場は未定です。
現在、画コンテは完成し、いよいよ作画に進もうという段階です。
今年は本作に賭けています。
http://www.cinra.net/news/2012/09/05/204533.php

~~~
なんだか読むだけで奮い立つ、パワーみなぎるお知らせだと感じました。私たちも、今年の映画祭に向け始動!です。
今年も、仙台短篇映画祭をよろしくお願いします。
コラム「育児と映画」番外~2 012年に出会った映画たち
今年もあとわずかです。
家族が増え、時間の使い方が変わり、手当たり次第に観ることはできなくなりました。ある程度狙って観るようになったぶん、「これは拾いもの!」に出会うチャンスが減ったように思います。そんな中での『英雄の証明』、『ドライヴ』、『リンカーン弁護士』(←次点ですが)はかなり「ほくほく」でした。それから、いわゆる映画館公開とは違う場で、素晴らしい作品に出会うことが多い年でもありました。来年以降も、映画館にふらっと行くだけではなく、よりアンテナを高くしないと、出会いを逃す…ということかもしれません。
では、今年出会った映画たち、私なりの選りすぐりを御紹介します。

●ミラノ、愛に生きる
ジャージを最も美しく、印象的に使った作品。本作含め、ティルダ・スウィントンが印象に残る年だった。
●サラの鍵
並走し絡み合うドラマの面白さと味わいを、存分に味わえた。
●なみのおと
後にも先にも、本作を越えるいわゆる震災映画は出てこない。語りと居住まいのみで表現される「あのできごと」は、観る者の心に染み渡り、沈み込むように深く印象付けられる。
●ドライヴ
設定、人物、物語、セリフ、上映時間、いずれにも無駄・スキ一切なし。香港映画が嫉妬する快作。
●ポエトリー アグネスの詩
善や悪とはいかに一面的であるか、を善良な市井の人々を通し見せつける。余韻というにはざらついた、すさんだ衝撃を残す作品。
●英雄の証明
ギリシャ悲劇をベースとしたシェイクスピア劇があぶり出す、今現在、世界のあちこちで起こっている勢力争い。違和感どころか鮮やかすぎるほどの先見性のある物語に驚かされる。
●SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
映画と音楽の底力を、痛いほどに肌で感じられる作品。「やりたいことをやる」という潔さと力強さに溢れ、大量に垂れ流されるハデでキレイな「話題の超大作」群を凌駕し、寄せ付けない。
●おおかみこどもの雨と雪
アニメが、日常のきらめきをみずみずしく蘇らせる。今この時期に出会えてよかった、と感じた作品。
●サウダーヂ
充実の164分。浮き足立っている、地に足が付いていない、と感じることが増えた気がしていたが、「地」自体がぐらつき崩れかけているのだ、と気づけた。そんな「地」に、自分はどうやって足を付け、歩くか。そんなことを考え続けるきっかけをもらった。
●親密さ
どんなに目を見張っても、息を飲んでも足りない、4時間後に行き着く圧巻のラスト!
…と、これで十本になってしまいました…。それでも、もう少し。
○少年と自転車(いまだに感想を言葉にまとめきれない…。)
○リンカーン弁護士(続編ができそうなラストにニヤリ。ひそかに期待!)
○青梅街道精進旅行(沖田監督×高良健吾=今年は世之介!ですね。)

来年も、よき出会いがありますように…。

cma
割り切れなさを抱えて こそ、の語りの強さ(岩淵弘樹監督 「サンタクロースをつかまえて」)
クリスマス、ページェント。大好きなひとも、そうでない人も、この時期に仙台で本作に出会える幸運を。
仙台出身「遭難フリーター」の岩淵弘樹の新作「サンタクロースをつかまえて」は、フォーラム仙台にて28日までの限定上映です。お見のがしなく! 

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語りの映画だ。
あの震災、仙台光のページェント。いずれの映像も、繰り返し繰り返し目にしてきた。そこにどんな音や声をのせるか、で映像の印象はがらりと変わる。
さまざまな語り手が登場するが、感じたのは「こんなことをしていていいのだろうか」と割り切れなさを抱えてながら生活を営んでいる人の言葉が、いかに心の奥まで届くか、ということ。あくまで個人的な感想だが、信仰や家庭にゆるぎない価値観を見出だせている方々の言葉は、耳を傾け続けるのに集中力やエネルギーがいった。一方、悩みながらも震災直後に音楽を発信したミュージシャンや、演奏を撮影し、一方で子を急遽避難させたカフェ店主の言葉は、気負わずとも胸に染み込んでいく。
何より突出して素晴らしいのは、監督のお母様・恵子さんの語り。お母様のパートだけでも、この映画に出会ってよかった、という気分になる。何かしら手を動かし、歩きまわりながら、豊かな表情とともに繰り出されるまっすぐな言葉たち。会社からのメールに狂喜乱舞し、津波で流された車探しに「大切だけど大切じゃない」と逡巡する。彼女の言葉は、生き生きと躍動し、色褪せた風景に息吹を吹き込む。そんなハイテンションな語りをクールに反応する御主人とのやり取り?も絶妙。ここだけでもずっと見ていたい、と思った。
加えて好感を持ったのは、クリスマスを迎えた子どもたちの姿だ。サンタクロースやプレゼントにわくわくと胸をときめかせる…なんていう、ホームビデオでさえも使い古された風景を、本作は臆面なく丁寧に映し出す。これが、少しもあざとくない。それは、震災があったから、なのだろうか。あの日々を乗り越えたのだから、と受け手が感じて観るからこその、震災がもたらした皮肉な幸福なのか。
震災、ページェント、クリスマス。どれもわかりやすいイメージが定着しており、個人的には居心地悪さがある。それでも、楽しく、幸せな瞬間は潜んでいる。居心地悪さを抱えながらも、ふとそう感じてもいいのでは。映画を観てから一晩経ち、昨夜のもやもやを振り返っていたら、なぜかそんな答えが頭をのぞかせた。思い出すにつけ、また印象は変わるかもしれないけれど。
監督いわく、「振り子のような」不思議な作品だ。セルフ・ドキュメンタリー「遭難フリーター」の岩淵監督が、新たな作品を世に送り出してくれたことが、うれしく、喜ばしい。

cma
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「サンタクロースをつかまえて」:2012年、日本
監督:岩淵弘樹
撮影:山内大堂
録音:辻井潔
サウンドデザイン:山本タカアキ
挿入歌:麓健一、yumbo、はっぴいえんど
出演:澁谷浩次、岩淵恵子
時空を越える老若男女の 恋模様(アッバス・キアロスタミ監督 「ライク・サムワン・イン・ラブ」)
びっくりします。
あっけにとられます。
でも、観終えてしばらく映画のことで頭がいっぱいになり、頭の様々な場所が刺激されます。
是非、たまにはこんな一本を! どうか、びっくりしすぎて途中退出したりせず、最後まで御覧ください。

※桜井薬局セントラルホールにて、で2週間限定公開中!※

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いきなりのラストに、しばし茫然。「シャンドライの恋」の幕切れをふと思い出した。しかし、エンドロールにかぶってきたのは甘い音楽。思わず顔がほころんだ。これはやはり、犬や蓼が顔を出しそうなたぐいの物語なのだろう。そしてもしかすると、まどろむ若い女と、夢見がちな老人が垣間見た幻が重なり呼応した、一瞬の夢かもしれない。リアルに見える渇いた映像、淡々とした語り口に、観る者も惑わされ、不可思議な世界に迷い込む。
メインの三人はもちろん、この作品に登場する人々は揃いも揃って不穏さをまとっている。大学生アキコに訳知り顔に説教する男(でんでん)はデートクラブの元締めだし、元大学教授タカシの隣人女性のねばっこさは、声だけでも鳥肌もの。アキコを乗せるタクシー運転手やたまたま出会うタカシの教え子さえ、「何かある」気配を漂わせ、観る者の心をざわめかせる。(…そもそも、「何もない」人などおらず、それぞれに事情を抱えていて当然なのだが、私たちは時に自分だけが特別に思え、周りが見えなくなる。)そして、それぞれに後ろめたさを抱えるメインの三人。言葉や行動で相手を威圧し、自衛するノリアキ、自分からは決して動かず、のらりくらりと浮遊するアキコ、そんな二人にかかわり小さな嘘をついたことで、抜き差しならない状況に陥っていくタカシ。もつれた糸は、絡まっていくばかりだ。
いいトシした大人の男女が妄想・暴走する前作「トスカーナの贋作」には少々引いてしまったが、今回は、「若さ(老い)ゆえ」と多少の逸脱が許容されそうな若者と老人が主人公、という点がいい。身勝手なはみだしっぷりも、かつての記憶をくすぐられ、ある意味壮快。呆れつつもいつしか引き込まれ、彼らの行く末をあれこれと夢想してしまった。彼らのうち、誰に嫌悪し、いらつき、はらはらし、(多少なりとも)共感するか。そんなところから、観る者の本性さえ暴かれそうだ。
冒頭の繰り返しになるが、アキコやタカシのまどろみは、物語を夢と現実の世界へ融通無碍に行き来させる。さらにこの物語は、時間や場所さえも軽々と越える。はじめのうちこそ、深夜まで街頭で孫娘を待とうとする祖母の時間感覚に驚いたが(私の周りの年長者は、日暮れを合図に帰宅し、9時10時には就寝している。)、「待ち合わせの駅の銅像」として渋谷のハチ公ならぬ家康公(静岡駅?)が現れるという肩透かしに絶句。時間や場所にこだわらず、映画の世界に浸り愉しめばよいと悟った。看板や標識など細かな文字情報からロケ地の見当がついてしまう日本人ゆえかもしれないが、渋谷、静岡、横浜、青山…と瞬間移動を繰り返しつつ物語がなだらかに進む点が、地に足のついていない彼らを象徴するようで面白い。
観たあと、あれこれ考え、はっとし、ニヤリとさせられる。久しぶりに、映画らしい映画を観た。

cma
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「ライク・サムワン・イン・ラブ」:Like Someone in Love、:2012年、日本・フランス合作
監督・脚本:アッバス・キアロスタミ
プロデューサー:堀越謙三、マリン・カルミッツ
撮影:柳島克己
録音・サウンドデザイン:菊池信之
美術:磯見俊裕
編集:バーマン・キアロスタミ
出演:奥野匡、高梨臨、加瀬亮、でんでん、森レイ子
理由なき退屈な殺人(三 池崇監督「悪の教典」)
『ヒミズ』で国内外の映画祭を総なめ、今年の映画祭「あるていくしねま」で上映した『5windows』の主演、染谷将太さんが出演しています。フィリップ・シーモア・ホフマンが目標、と某ラジオ番組で話していた若きカメレオン俳優、まだまだ目が離せません!…ちなみに、「染谷」は「そめたに(×そめや)」です。あしからず。

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いったいこれはいつまで続くのか。そもそも彼は、何のために殺しているのだろう?
淡々と死体の山が築き上げられる後半、ふと野暮な疑問が浮かんでしまった。人気者の高校教師、ハスミンこと蓮見の正体は、他人への共感性が欠如したサイコパス(反社会性人格障害)。彼の殺人には理由(いわゆる殺意)がない。殺したい、殺さなければならない、殺すべきだ…どれも当てはまらない。どこまでもシンプルに、ただ単に「殺す」なのだ。
学校を舞台としたバイオレンスものと言えば、「バトルロワイヤル」、三池監督自身の「愛と誠」「クローズ」…と枚挙にいとまがない(母子愛憎もの「少年は残酷な弓を射る」も、ある意味、このジャンル)。それらは、恐怖をあおったり、滑稽さをちらつかせたりして、観る者を楽しませ、惹き付け、飽きさせない。三池監督は、そんな術を熟知しているはずだ。その監督が、今回はあえて「退屈な殺人」という描写を意識しているように感じた。フィクションとはいえ、殺人とは、人の命をことさらに奪うこと。それを眺めて「退屈だ」と感じてしまった瞬間、後ろめたさ、居心地悪さ、自分への空恐ろしさが追いかけてきた。これが監督の狙いではなかったか、とハッとした。
もちろん、様々な仕掛けはある。人殺しをモチーフにした歌を絶妙に織り混ぜたり、猟銃が異形となり主人公に語りかけたりし、ニヤリとさせられる。しかし、加速はしない。あくまで抑制が効いている。主人公が殺しを繰り返す背景は徹底して垣間見せず、推測の余地を与えないのだ。
なぜだ、なぜやったんだ。理解不能の出来事に遭遇すると、私たちは納得できる理由を求める。すっきりと腑に落ちたい、安心したい、と思う。けれども、ともすると、納得や安心は安易な忘却に繋がる。自分に関係のない遠いことだから、もう済んだことだから、と。
しかし本作は、彼を恐ろしい人物とも滑稽な輩とも描かず、自分たちから遠ざけることを許さない。こんな人物、近くにいませんか。御用心、御用心。そうそう、そういえば、あなた自身は? わざわざこんな映画を観に来て、退屈だなんて感じるような共感性のないあなたは? そう囁きかけられている気がした。
…それにしても。冷酷非道なサイコパスとはいえ、所詮人間。どこかにヌケがあり、ミスをする。悲劇はそこから始まる。蓮見が完璧であれば、彼の正体は闇に葬られ、大胆なドミノ倒しにも似た大量殺人は起きないのかもしれない。とすると、殺人とサイコパス、どちらがきっかけで、結果なのだろう。タマゴとニワトリ、どちらが先か。あの問いに、どこか似ている。

cma

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「悪の教典」:2012年、日本
監督・脚本:三池崇史
原作:貴志祐介
出演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、浅香航大
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